出典:https://eiga.com/movie/55751/gallery/
ストーリー
ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナ、ニナ(ナタリー・ポートマン)は、踊りは完ぺきで優等生のような女性。
芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)は、花形のベス(ウィノナ・ライダー)を降板させ、新しい振り付けで新シーズンの「白鳥の湖」公演を行うことを決定する。
そしてニナが次のプリマ・バレリーナに抜てきされるが、気品あふれる白鳥は心配ないものの、狡猾(こうかつ)で官能的な黒鳥を演じることに不安があり……。
引用:https://www.cinematoday.jp/movie/T0009600
感想・解説
ナタリーポートマンの演技がすごい
白鳥を演じるナタリーポートマンは清廉潔白で完璧だった!
清廉潔白すぎて、ここからどうあがいても妖艶なブラックスワンに化けることは同一人物では不可能だろうと僕は思っていました。
しかし、ラストで演じるナタリーポートマンの黒鳥は妖艶を超え、むしろ恐怖すら感じるほどのヴィラン風の演技!
全くの別人すぎて、ナタリーポートマンすごい!と唖然してしまいました。
現実と妄想の区別がつきにくい
ニナは役を完璧に演じたいが理由に、精神を病み、自裁に幻覚を見るようになるわけですが、この幻覚であるシーンと現実のシーンの区別がつかなくて未消化のまま終わってしまう。
あとで、あのシーンは幻覚だったのか!となるような伏線回収があればいいのですが、ブラックスワンはそのような伏線回収がない。
強いて言えば、白鳥の湖の公演中にブラックスワンの腹を刺したつもりが、自分の腹を刺していたというシーンくらい。
母親のキチガイな感じもニナの妄想なのでは?と思えてしまう。というか、冒頭から最後の公演のシーンまで全部妄想なのでは?と思えてしまうくらい。
白鳥の湖の水は母親の涙で出来ている
白鳥の湖の原作のストーリー知っていますか?僕は知らなかったのですが、白鳥の湖の水は母親の涙によって出来たものらしいですよ。
要するに何が言いたいかというと、ニナの母親はすごく過保護でうっとしいような人物でしたが、母なりに娘を思う気持ちはすごく伝わって来ました。そして、ラストの母親の涙は白鳥の湖の水を象徴していたのでしょう。
これは最後の「完璧だわ」というセリフにも納得。
最後、ニナは死んだのか?
ニナは自分の腹にガラスを刺していました。
結局、最後は腹から血が滲み出し倒れます。そして、完璧だわというセリフを吐いて終わる。
ネット上では、彼女は死んだ。彼女は生きている。と様々な意見が飛び交っているが、正直答えはわからない。
観ている人の解釈に任せるような終わり方でしたね。
ラストは死んでいた方が「完璧」だと思うので、死んでいる説の方が濃厚だと僕は思いますね。
評価
妄想と現実の区別を最後に伏線回収できれば、ラストで衝撃を受けるどんでん返しとなりえたのに、妄想と現実の区別がつかなかった点が残念。
芸術性はかなり高いし、バレエ劇の「白鳥の湖」の知識があれば、もっと楽しめると思う。
60/100点!